皆様こんにちは。いよいよ夏本番。暑い季節となってまいりました。また、長雨の季節とあり、風邪にも気を付けたいところです。

 さて、今回紹介する本は麻耶雄高『神様ゲーム』。本格推理作家が子ども向けに作品を書いた「ミステリーランド」シリーズの一作です。

あらすじ
 小学校四年生の主人公、芳雄の街では連続猫殺し事件が発生していた。そんなある日、芳雄は転校生、鈴木と掃除の時間に話をするが、そこで鈴木はおかしなことを言う。「自分は神様だ。だからなんでも知っているのだ」と。
 そんなわけないだろうと思いつつも芳雄は様々な質問をするが、そのたびに鈴木は質問に答えていく。「担任の先生に恋人はいるか」「僕は何歳まで生きるのか」。質問を続けていく途中で、芳雄は猫殺しの犯人について聞いてみる。「知ってるよ」と言う鈴木は秋屋という人物の名前を出した。
 芳雄と芳雄の友達らによる少年探偵団は、秋屋を調べていくが、数日後に探偵団の本部である空き家の裏庭で死体を発見する。これも秋屋という人物の犯行なのか? 

【1】ラストの驚き
 この作品の結末には驚きました。詳しくはネタバレになるので避けますが、(人によっては「衝撃の結末」という本屋のポップを見ただけで、ネタバレだと感じるでしょう)「神様は絶対」というルールを思い知らされました。

【2】植付けられるトラウマ
 子ども向けという体裁をとっていながら、子ども向けでない話の展開も見どころです。時計針のシーンや、事件の真相は子どもながらにトラウマとして心に残ることでしょう。それでいて、作品自体に何度か読み返したくなる不思議な魅力があることも事実です。きっと、読んだ子どもが大人になって恐る恐る読み返す。そのような作品なのではないでしょうか。

【3】後味の悪さ
 前回から引き継いだテーマがこれです。【2】と多少被る部分もあるのですが、この作品が持つ後味の悪さは、最大の魅力でしょう。麻耶雄高の底意地の悪さが透けて見えるような気がします。

さて、この辺で紹介を終えて、筆を置くことにしましょう。
 もうすぐ、期末試験です。会員の皆様、単位を落とすことが無いよう、祈っております。