5月も半ばになり、蒸し暑い日が多くなってきました。この調子だと今年の夏も覚悟しないといけませんね。こんにちは、2年の鈴木です。今年度最初のリレーブログなんて大層な役をまかされて、かなり緊張しています。拙い文になるかと思いますが、どうか温かい目で見てやってください。
 今回は初回ということなので、まずはリレーブログについての簡単な説明をします。リレーブログは会員がオススメの本を3つのキーワードを使って紹介していくというもの。その3つのキーワードの内の1つは前任の会員が使ったものから引き継ぎます。但し、前任の会員がさらにその前の会員から引き継いだものは選べません。つまり、ずっと同じキーワードを引き継ぐことはできない仕様になっています。この説明ではわかりにくい、と感じられた方は昨年度のブログを順に見ていただければ理解しやすい筈です。
 さて、話すべきことも話し終えたのでここからは本題の方に入っていこうと思います。今回紹介するのは『怪盗ニック全仕事1』。著者はエドワード・D・ホック。数々のシリーズ物の短編ミステリで有名なホックですが、その中でも特に人気の高いニック・ヴェルヴェットシリーズの文庫版全集第1巻です。

あらすじ
 ニック・ヴェルヴェットはプロの泥棒だ。依頼料は2万ドル(場合によっては3万ドル)。ただ普通の泥棒とは違って、宝石や高価な美術品なんてものは盗まない。ニックが盗むのはおよそ金銭的に価値のないものもしくは誰も盗もうとはしないもの。看板の文字であったり、プールの水だったり。ニックはそれらをどうやって盗み出すのか。そしておかしな依頼に隠された本当の目的とは…。

【1】風変わりな設定
 普通泥棒と言えば金や宝石などを盗むものですが、ニックが盗むのはそれとは正反対のものばかり。ですが誤解してはいけません。価値がないからといって盗みが簡単、というわけではないのです。警備の厳重な博物館や刑務所からだって盗みますし、プロ野球チーム丸ごとやプールに入っている水全部など盗みの対象自体がとんでもないケースもあります。そしてそれらを盗む方法も奇抜で大胆。盗むものに価値がないからといって面白さが無くなるわけではないので、安心してください。

【2】常に謎は潜む
 盗みの面白さはもちろんですが、それだけではないのがニックシリーズの魅力の1つ。一見価値のないものを盗ませようとする依頼主達ですがそこには必ずと言っていいほど裏があり、短編ミステリの名手ともいわれるホックの腕の良さが遺憾無く発揮されています。

【3】魅力的な世界
※前回から引き継いだキーワードです。
 ニックは依頼のためならアメリカだけではなくイギリスやカリブ海に浮かぶ島国など、世界のあらゆる場所へ向かいます。そこではニックの邪魔をする刑事やマフィアまで登場して、もはや泥棒ではなくスパイのような活躍ぶりです。
 そしてそんなニックがこれまたかっこいい。顔はいかついながらもハンサム。身長は約183㎝と体格もいい。歳は40近いが若者でもできないような離れ業もこなしてしまう。この情報だけでも十分かっこいいですが、それに加えてニックの格好良さはセリフの端々からも滲み出ています。またグロリアというガールフレンドもいて、普段は家のポーチでビールを飲みながら一緒にくつろぐという理想をつぎ込んだような生活を送っています。うらやましい限りです。こんな二重生活なら1度だけでも経験してみたいものですね。

 以上で本の紹介を終わります。『怪盗ニック全仕事』は5月現在で2巻まで、3巻目は6月に発売予定です。また他のホック作品では、齢2000を超えるオカルト探偵が登場するサイモン・アークシリーズや不可能犯罪のみを扱ったサム・ホーソーンシリーズなどおすすめです。気になるという方は是非どうぞ。