大変ご無沙汰しております。2年前にリレーブログを一度書いたっきり暫らく休部させていただいていた清水と申します。

まずは謝罪から始めねばなりません。前回の第三回を書いた鈴木先輩から次回のリレーブログ執筆の指名を頂いたのが7月の半ばころ。夏休みを挟んでこの記事の公開は9月も終わりの頃になってしまいました。今回のリレーブログが夏号、あるいは夏休み号となってしまったのは一重に私の不徳の致すところでございます。大変申し訳ございませんでした。何をしていたかというと、大学の試験や税理士試験等の各種資格試験、3年生ということでインターンシップへの参加など、盛りだくさんでした。え?言い訳は要らない?では本題に入らさせていただきます。

さて、前回からの引き継ぎワードは【読者への挑戦状】です。まぁ【密室】も出てくるんですが。お恥ずかしながら、【読者への挑戦状】というものを私はあまり見たことがなかった、ということもあり、前者を選択しましたので、今年度中はもう【読者への挑戦状】は使えませんからね。このワードを見て、「ミステリ以外の選択肢、ないじゃん!」と思わず叫んでしまいました。ミステリは老後の楽しみにしようと思っているため、あまり読んだことがないのですが……それでも今回は頑張ってみました。前回の鈴木先輩がエラリー・クイーン推しのようでしたので、じゃあ、ということで「平成のエラリー・クイーン」とも評されている青崎有吾氏のデビュー作であり、第22回鮎川哲也賞受賞作品でもある本作品を取り上げることにいたしました。

〈あらすじ〉文庫版背表紙より引用

風ヶ丘高校の旧体育館で、放課後、放送部の少年が刺殺された。密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部の部長の犯行だと、警察は決めてかかる。卓球部員・柚乃は、部長を救うために、学内随一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。アニメオタクの駄目人間に――。

ネタバレには配慮しています↓

【読者への挑戦状】前回からの引き継ぎワード

作者が平成のエラリー・クイーンと呼ばれているだけあって、幕間として読者への挑戦ページが設けられています。ただ、前回の先輩のように「もう一度最初から読み直」すことは(個人的に)おすすめいたしません。文中で作者の考えとして、現代の読者は読み返して犯人やトリックを当てようとすることはしないだろう、と書かれているためです。ただそう言いながらもしっかり、この読者への挑戦という発明に対し敬意を払い、しっかり挑戦に関する武運は祈られてしまうため、「圧倒的物好きもしくは暇人」の方は挑んでみてもいいのではないでしょうか。私は続きが気になってすぐ次のページにに行ってしまいましたが。

【学校】

あらすじにあるように、舞台は高校です。体育館の形や授業時間など、細かい差異はあるでしょうが、高校を出身したて(?)の私には情景が目に浮かぶようで……感情移入といいますか、とにかく読みやすかったです。ああ鍵を借りるのには職員室に行かなくちゃな、とか、トイレはきれいな方に行きたいよな、とか。これを読むのを老後に回さなくって正解でした。ネタバレOFFだとこれは書きにくいですね……。

【変人】

本作の探偵役である裏染天馬。彼は校内の百人一首同好会の部室に棲み着いているのです。更にアニメオタクというところも変人度に磨きをかける。作中には『生徒会役員共』や『とらドラ』、『装甲騎兵ボトムズ』のネタまで散りばめられています。大抵は彼の独り言なので、知らなくっても(小ネタの数もそこまで多くないこともあって)何ら問題なく読み進めることもできますが……知っていればニヤリとできるでしょう。積極的に謎解きをしない、所謂やれやれ系の人間である彼の推理の原動力は金。さらに使い途はFateのブルーレイ等というのだから変人ですよね。先輩が死んでいいるんやぞ。

さて、以上で本作の魅力をお伝えすることは……できていないと思いますが、面白かったのでぜひ読んでください。ミステリ、特に本格派はちょっと……というような方も、舞台が身近なこともあり、読みやすいと思いますよ。私もそうですし。入門としてオススメです。もちろんミステリ玄人の方もぜひ。ロジックの連鎖の様は痛快です。それでは、また。

このワードなら次回はミステリ以外の作品に繋がるかな……