どうも、はじめまして。東洋FSM会員の南航平と申します。
今回リレー記事を会員内で書くということで鹿野さんに頼まれ、私が二回目を担当することになりました。
それにしても鹿野さんが一回目の記事を書いてからずいぶんと間が空いたなぁ、一か月以上経っているじゃない。まぁ、七月は色々と忙しかったから仕方ないのだけれど。

さて、今回私は「SFミステリ」をテーマに選びました。SFとミステリ、両方を題材にするという実にFSMらしいテーマですね。そして、このSFミステリというジャンルは私が小学生の頃に初めて触れて感銘を受けた、思い出深いジャンルでもあります。

私が初めて触れたSFミステリ。それは西澤保彦の『いつか、ふたりは二匹』でした。
この作品のストーリーは、小学六年生の男の子がある日猫の体に乗り移るという能力を持ち、その能力を使って街で起きた誘拐事件の犯人を探るというもので、ギャリコの『ジェニィ』をリスペクトしています。
当時、小学六年生だった私はこの本が好きになり、中学生になったあと西澤保彦の著書を読み漁るようになりました。西澤氏は元々SFミステリの作品を多く書いていたので、私が読む作品も必然的にSFミステリものが多くなっていきます。

同じ日を九回繰り返す能力を持った高校生が殺人事件を防ごうと奔走する『七回死んだ男』
6人の人格が次々と入れ替わる中で殺人事件が起きる『人格転移の殺人』
何か疑問を持つと時間が停止してしまう能力を持った男が、時が止まった街の中で次々とナイフが刺さった人間を見つける『ナイフが街に降ってくる』
テレポーテーション能力を持った男が完全犯罪を計画する『瞬間移動死体』
事件の当事者と会話をするだけで当事者に事件を解決させてしまう超能力を持った男が主人公の『完全無欠の名探偵』
他人が見た風景をそのまま見ることができる能力を持った女性が、殺人を「見て」しまう『実況中死』
などなど。

SFミステリを書いているのは西澤保彦だけではありません。
宮部みゆきの『蒲生邸事件』はタイムスリップというSF要素を含めたミステリですし、森博嗣も『女王の百年密室』という、「死」という概念が存在しない世界で起きた密室殺人を題材にしたSFミステリを書いています。

海外もので有名なのはランドル・ギャレットの『魔術師をさがせ!』『魔術師が多すぎる』でしょうか。
これは、魔術師が科学者や弁護士の代わりを務めているパラレルワールドの世界で起きた事件をモチーフにした作品です。
魔術が使えるのならなんでもありじゃないか、というツッコミが入りそうですが物語はそう簡単には進みません。突拍子もない設定の中に厳密なルールというものが存在するからです。
例えば『魔術師が多すぎる』では、現場の密室が被害者しか開けられない呪文で封じられていて、他の人が魔術を使って開けることは不可能だったり。

この「厳密なルール」というのはSFミステリの肝です。このルールがしっかりしていないとなんでもアリになってしまい、ミステリとして成立しなくなってしまいますから。
例えば、先ほど紹介した『瞬間移動死体』ではテレポーテーション能力にこんなルールがあります。

・自分の体以外のものは瞬間移動できない(もちろん服も!)
・主人公が瞬間移動するためにはアルコールを飲むことが必要(そして主人公は下戸)
・瞬間移動する先にあるものと交換で、主人公の体が移動する

こういった条件があるため、主人公の男は完全犯罪を成立させるために複雑な計画を練る必要に駆られます。人を殺して瞬間移動して「はい、おわり」とはいかないわけですね。そして、こういった複雑な条件があるために物語は予想もつかない展開へと進んでいくのですが…。

どうです?SFミステリ、読みたくなってきましたか?読みたくなったなら、上で紹介した作品の中で気になったものを一つ、図書館で探してみてください。本を開けば、豪快な設定と緻密なロジックをあわせ持つSFミステリの世界が、きっとあなたを魅了させてくれるはずですよ。

とまぁこんな感じでどうでしょうか、鹿野さん。
「読んで面白いもの」という条件だったので、面白いかどうか不安なのですが…楽しんでいただければ幸いです。
次回は誰になるんでしょう?まだ決まっていないのかな。
東洋FSM会員が頑張って更新するので、次回も読んでいただければ幸いです。では。